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EXCERPT
本ページではいくつかの投稿作品の冒頭を抜粋して公開していきます。 きれいな骨/川瀬翠 ──胸にあしらわれた薔薇のケミカルレース。この薔薇は、わたしの心臓だった。 久しぶりにばったり顔をあわせたちえちゃんは、すっかり様子がおかしい。ロリィタのお洋服をクローゼットに隠して地味な女子大生を装っている山崎にとって、少年のような見かけで不遜な態度をとるちえちゃんは無敵の畏友だった。しかし、そんなちえちゃんを追い込んだのは自分自身が「ずっと女を馬鹿にしてきたのかもしれない」という気づきだった。 女の子として生まれ落とされた者にかけられる幾重もの呪い。 これは、そんな呪いに立ち向かうふたりの物語です。 冒頭抜粋 サイレンのなか降りてくる遮断機をくぐりぬけたとき、その向こうでちえちゃんはいまにも崩れそうなジェンガみたいに立っていた。すっかり痩せ細った青白い肉からほとんど透いてしまいそうな骨。そしてそれらが腱や関節によって組み合わさってふしぎなバランスを保って立っていることの奇跡。そのくちびるはほんの柔くあわさっており、茶色い両眼はまるで葉の先でふくらんだまま静
kissingfrills
4月21日読了時間: 3分


CONTENTS
ロリィタファッション×セクシュアリティに関するアンソロジー同人誌 『絶えずくちづけしあう数多の唇としてフリルは』(略称:くちづけフリル)の目次を公開します。 目次 はじめに(川瀬翠) 【現代詩】解剖学的フリル(野葛間) Ⅰ 装いは超える 【エッセイ】すずしげなるロリィタ、変態(クィア)するユートピア——ロリィタ/クロスドレッサーデビュー記(宮崎水鏡) 【俳句】Deja-vu(野葛間) 【エッセイ】クローゼットもままならない(志賀玲太) 【エッセイ】皇子ロリィタ論 「プリンス・チャーミング」になりたいシンデレラたちへ(しゃーな伯爵) Ⅱ 身体の時間 【自由律俳句】おあしもと(沼谷香澄) 【小説】伝説のやえ子(ティーヌ) 【エッセイ】私的被服史1980-90、現在(沼谷香澄) 【短歌】からだ供養 (真田あをとら) Ⅲ いま・ここ・わたし 【日記】ロリィタ×LGBTQ+日記(あみーと) 【小説】繭(安生花音) 【エッセイ】私と体と服についての話(E) 【小説】きれいな骨(川瀬翠) くちづけフリルお茶会ルポ(川瀬翠) おわりに(川瀬翠) 執筆者一覧
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2月21日読了時間: 1分


AUTHORS
くちづけフリル寄稿者の自己紹介一覧は現在準備中です。
kissingfrills
2月21日読了時間: 1分


INTRODUCTION
本編の「はじめに」(寄稿募集の企画趣旨文)を先行公開いたします。 たとえば、ある「少女」にとっては漆黒のラッセルレースが夥しくあしらわれたスカートが自分を守るための鎧だったこと。またあるいは、別の「少女」にとっては気高くまっすぐなピンタックが並んだブラウスこそが自らの魂の裸形だったこと。そして、わたし自身にとっては、コルセットの紐を引き絞るときはじめて解き放たれた翼があったこと。すべてのロリィタたちの経験はそれぞれに異なっており、一概にロリィタについて語ることはできない。そもそもこのお洋服らはただの美しい布の集積に過ぎないのではないか。 しかし同時に、ロリィタファッションほど社会的に過剰な意味を織りこまれたファッションジャンルは類を見ないだろう。日本のポップカルチャーにおける「少女」表象が批判的にロリータ・コンプレックスなどと呼ばれロリィタファッションと混同されることがある一方で、ロリィタファッションのカルチャーにおいては肌の露出を避けるなどむしろ性的なものが忌避されることも多い。フェミニズムの文脈では男性のまなざし(メイル・ゲイズ)へ
kissingfrills
2月21日読了時間: 3分
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